当院では最先端の次世代シーケンサーを使って、遺伝情報(ゲノム)全体を網羅的に調べる「全ゲノム遺伝子検査」を行っております。
従来の検査では特定の遺伝子を検査することで疾患リスクや体質特性を把握しておりましたが、全ゲノム遺伝子検査はすべての遺伝子配列を解析致します。疾患に関する遺伝子は未知のものが多いですが、ゲノムは一生不変で、重要な遺伝子が発見されるたびに自分の配列と参照、確認できるようになります。その一方で、遺伝情報はご自身の遺伝子が分かるだけではなく、親・兄弟や子供など血縁者と共通する部分があります。
当院では本検査を受ける前に医師から適切なカウンセリングを受けることで、現状のエビデンスに基づいて各遺伝子に関する情報を理解して頂けるようにご説明致します。
検査項目
がんリスク検査
乳がん、肺がん、胃がん、大腸がん、前立腺がん等
生活習慣病・その他疾患リスク
2型糖尿病、高血圧、心疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患、バセドウ病、関節リウマチなど
検査値に対する遺伝傾向
血圧、血糖値、コレステロール値など
薬剤応答性
ワーファリンの必要内服量、カルバマゼビンの副作用など
下記遺伝子は米国遺伝医学会(ACMG)が患者様への報告を推奨する遺伝子とその疾患名で、当院ではACMGの基準に則りご対応させて頂きます。
適切なカウンセリングが推奨される遺伝性疾患
No. | 疾患名 |
遺伝子 |
---|---|---|
腫瘍性疾患 | ||
1 | 遺伝性乳癌卵巣癌症候群 | BRCA1,BRCA2 |
2 | リー・フラウメニ症候群 | TP53 |
3 | ポイツ・イェーガー症候群 | STK11 |
4 | リンチ症候群 | MLH1,MSH2,MSH6,PMS2 |
5 | 家族性大腸ポリポーシス | APC |
6 | MYH関連ポリポーシス | MUTYH |
7 | 若年性ポリポーシス | BMPR1A,SMAD4 |
8 | フォンヒッペル・リンドウ病 | VHL |
9 | 多発性内分泌腫瘍1型 | MEN1 |
10 | 多発性内分泌腫瘍2型 | RET |
11 | 多発性髄質性甲状腺癌 | RET |
12 | PTEN過誤腫症候群 | PTEN |
13 | 網膜芽細胞腫 | RB1 |
14 | 遺伝性パラガングリオーマ・褐色細胞腫症候群 | SDHD,SDHAF2,SDHC,SDHB |
15 | 結節性硬化症 | TSC1,TSC2 |
16 | WT1関連ウィルムス腫瘍 | WT1 |
循環器系疾患 | ||
18 | エーラス・ダンロス症候群 | COL3A1 |
19 | マルファン症候群 | COL3A1 |
20 | 肥大型心筋症 | FBN1,TGFRBR1,TGFBR2,SMAD3,ACTA2,MYH11 |
21 | Catecholaminargic Polymorphic ventricular tachycardia | MYBPC3,MYH7,TNNT2,TNNI3,TPM1,MYL3,ACTC1,PRKAG2,GLA, |
22 | Arrythmogenic right ventricular cardiomyopathy | MYL2,LMNA |
23 | Romano-Ward QT延長症候群 | RYR2 |
代謝性疾患等 | ||
24 | 家族性高コレステロール血症 | LDLR,APOB,PCSK9 |
25 | ウィルソン病 | ATP7B |
26 | オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症 | OTC |
27 | 悪性高熱症 | RYR1,CACNA1S |
採取方法
遺伝子検査を行うために、頬の内側から以下の方法で口腔粘膜細胞を採取します。


検査結果
検査結果は3週間から4週間で医師に届きますので、事前予約の上当院にお越し下さい。
担当医師からご報告させて頂きます。
お申込みの条件
(※必ずお読みください)
- ○本検査結果のご報告は当院にて担当医師がカウンセリング致します。
そのため、お申込みはご来院が可能な方に限ります。 - ○本検査は20歳以上を対象としています。
16歳以上20歳未満の方は親権者等の法定代理人の同意書が必要となります。 - ○本検査をお申し込みになる前に、必ず検査同意説明書をご確認ください。